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《2》

「お姫様が一人で寂しい思いをしてるんじゃないかと心配でね」 「俺…?」 志水の言葉に驚いて、自分を指差す。 「すげぇ厳ついヤンキーが転校してきたって噂になってるぞ、お前」 相原の言葉に、何となく気づいていたので頷くと、露骨に舌打ちをされる。 「ただでさえ目立つんだから、くれぐれも大人しくしとけよ。お前に目立たれると、こっちが迷惑するんだからな!」 「…言われなくても分かってるよ」 詰め寄る相原に思わずムッとした口調になる。 それが、相原のカンに障ったらしい。 「テメェ…、折角忠告してやってんのに、何だその態度は…!」 今にも掴み掛かってきそうな勢いの相原を、志水が肩を掴んで止める。 「相原…!全く、喧嘩売りに来たのか?君は。言ってる本人が問題を起こしてどうするんだ?」 「だって、コイツの態度がだなぁ…!」 揉め事はなるべく避けたいけれど、どうも相原とは相性が悪そうだ。 仲間を病院送りにしてしまったのだから、相原の怒りも当然といえば当然だ。 それに、相原は良次の仲間だ。 無駄に揉めたく無かった。   「俺の態度が気に触ったなら悪い。出来るだけ気をつける」 素直に頭を下げると、意外だったのか、簡単に相原は引き下がった。 「けっ、昨日は泣いてやがった癖に、偉く肝が据わってんじゃねぇかよ。オカマ野郎なのは、大和の前でだけか?気持ち悪ぃ」 俺に向かって吐き捨てた相原の後ろに、不意に影が掛かる。 「お前が口の利き方には気をつけろよ、相原ぁ」 「げっ!!」 「優!?」 いつの間にか近づいていた優が、相原の肩を組んでニヤリと笑った。

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