179 / 346
《3》
「良次が先生の手伝いで側に居てやれないから、小野部の事を見ててやってくれって言われた時には、何て過保護なんだと思ったけどよ。言う事聞いといて正解だったな」
「良次が…?」
「そ、心配だからってさ~。愛されてんね~」
冗談めかして言う優に、顔が赤くなるのが分かる。
「にしても、志水。お前がついてるのに、何やってんだよ。学校の廊下だぜ?」
優に呆れた様に言われて、志水が困った様に苦笑いをする。
「面目ない」
「粗相しねえ様に、日頃からちゃんとペットの躾しとけよ」
「俺は犬かっ!?」
「し、躾…!?」
優の口から飛び出したとんでもない言葉に、驚く。
躾って、どういう事だろう。
そういえば、つい最近、良次がそういうプレイがあるって言っていた気がする。
俺は恥ずかしいから嫌だって断ったけど、もしかして、この二人って、そういう事をする間柄なのだろうか?
一人で真っ赤になってぐるぐると考えていると、考えている事が顔に出ていたのか、俺を見て志水が苦笑いした。
「優が変な言い回しをするから、お姫様が誤解してるだろ…」
「え!?」
相原も俺の表情を見て、俺が何を考えてるのか察したらしい。
露骨に嫌そうに顔を顰める。
「おい、気色悪い想像してんじゃねぇぞ…。お前の頭ん中どうなってんだよ…。マジで引く…」
「何か、良次と小野部の夜の営みが垣間見えてすげぇ嫌だわー」
「し、してないっ!そんな事してねぇからっ!」
相原と優の冷めた視線に、俺は必死に首を横に振った。
ともだちにシェアしよう!