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《7》
見ると、クラスメイトの一人が物珍しそうな目でこちらを見ていた。
「お~、諏訪!お前もこっち来いよ!一緒に弁当食おうぜ!」
優が、諏訪と呼んだ奴を手招きする。
すると、諏訪はサンドイッチのパックを持って近くの椅子を近づける。
「小野部、コイツ諏訪。良次とも仲良いから、覚えとけよ」
「あ、ああ、よろしく」
「大和の家住んでんだって?にしても、気合の入った髪色してんな」
「え…?あ、ああ…」
諏訪の言葉に何て返したら良いか分からず、曖昧に頷くと、すかさず優が口を挟む。
「俺等の事、金髪ブラザーズって呼んでくれて構わねぇぜ」
「何でだよ。呼ばねぇよ、なげぇ」
「君も金髪にしてきたら金髪ブラザーズに入れてやるよ、諏訪君」
「いや、だからいらねぇし。そもそもお前等似てねぇし、ブラザーズって言いたいだけだろ」
優に淡々と諏訪がツッコんでいると、今度はガタガタと机が近づいてきてビビる。
「何、何ー!?小野部と親睦会してんのかよ!?」
「うるせぇのが来やがった…」
諏訪が本当にうるさそうに眉を顰める。
「俺、金田信吾!クラスのムードメーカー的存在だから、よろしく!」
「お前はただ、うるさいだけだろ…」
「んだと!?」
呆れた顔で優が呟けば、金田がデカい声で叫ぶ。
良次もそうだけど、優もクラスの皆と気軽に話していて凄いなと感心する。
コミュニケーション能力の乏しい自分には、まるで神業だ。
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