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《11》

もしかしたら、こんな俺でも、クラスに馴染めるかもなんて、淡い期待を一瞬抱いてしまった。 こんな厳つい自分でも受け入れて貰えるかもと思ったのに。 まさか、今度はホモを理由に孤立するのか…。 いや、それでも自分は元々孤立しているし、慣れている。 だが、優等生として皆と上手くやっていた良次まで俺の所為(だけじゃない様な気はするけど)で、孤立してしまったらと思うと、頭が真っ白になった。 そう思った次の瞬間に聞こえてきたのは、キャアアーという女子の黄色い声だった。 「…………へ?」 「大和君と小野部君って、そういう関係なの!?」 「ていうか、大和君カッコいい!!」 状況を理解出来ないまま、ただ呆然と今度は先程の静寂が嘘の様な騒ぎを見つめていた。 不意に、ぽんっと肩に手が置かれる。 目線で辿れば、優と視線が合う。 そして。 「御愁傷様」 と、憐れみの言葉を掛けられた。

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