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《12》

何とか授業が終わり、放課後。 放課後になるまでは、好奇の視線が痛くて堪らなかった。 クラス内ならまだしも、休憩時間には他のクラスの女子がいつもの倍位良次を見に来ている気がする。 いや、もしかしたら動物園の動物的な感じで俺の事もついでに見に来たのかもしれず、居たたまれない。 やっと帰りのHRが終わり、俺は優に連れ出された良次を追いかけて人気の無い一番遠い男子トイレを覗き込む。 頼むからあの状況の教室に置き去りにしないで欲しい…。 すると、中から良次と優の話し声が聞こえてきた。 「お前さ…、本っ当に小野部が絡むとポンコツだよな…。普段の冷静沈着なアンタはどこ行ったのよ?」 「うるせぇ…」 呆れた様な優の声に、良次が低く唸る。 「小野部がクラスに打ち解けた方が良いだろ?アンタだって、小野部の事散々心配してんだからさ」 「…分かってる。分かってんだが…」 「…お前さ、こないだから薄々思ってたんだけど、本気になるとすげぇのめり込むタイプなのな…。まぁ、元々マメだとは思ってたけど、どっちかって言うと来る者拒まず去る者追わずって感じでドライな方だったじゃん?ましてや嫉妬なんてしてんの初めて見たんですけど?」 「今までこんな事無かったんだ…!利久が絡むと、どうも感情が抑えられないっつうか…」  「はぁ…、ノロケおつ」 やってられないという風に優が溜息を吐いた。

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