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《16》
ただ、見た目から俺が彼氏で良次が彼女という風に判断されているらしい事は理解したので、良次の名誉の為に誤解を解かなければと思う。
そういう意味では確実に良次が彼氏側だろうし…。
「た、タチ…?っていうのが、よく分かんねぇけど、多分良次の方がそうだと思うから、俺が女役?だと思う…」
言ってから、激しく自己嫌悪する。
何だよ、俺が女役だと思うっていう日本語。
どのツラで言ってんだよ…。
「えー!?じゃあ、小野部君の方がネコなの!?」
「えー!?意外!!」
「………ね、猫………?」
新たに飛び出した言葉に戸惑う俺を取り残して、女子達の質問は続く。
「ね、ね、やっぱり最初は痛かった?」
「へ?何がだ?」
「決まってるじゃない!お尻!」
「!?」
女の子の口から飛び出したとんでもない言葉に、思わず俺は固まる。
「ねぇ、どうなの!?」
「あ、あのなぁ…。そういうの聞くの、よくねぇぞ。お前等女の子なんだから…、んな開けっぴろげに教室で人の性生活について聞いたら駄目だ」
「トッシーって、大人ー!」
「と、トッシー…?」
いや、あだ名つけられたんだけど…。
つうか、距離の詰め方が凄いんだけど…。
「じゃあ、今度女子会しようよぉ!女子だけで恋バナしよう~!」
「はぁ?女子会って、俺男なんだけど…」
「でも、ネコなんでしょ?」
「いや、俺、別に女の子になりたい願望とか無………」
「美味しいケーキ屋さんがあってぇ、今度クラスの女子皆で行くんだよ!」
「け、ケーキ……?」
ケーキという言葉に、おもわず反応してしまう。
「小野部君甘い物好き?」
「好き!」
「じゃあ一緒に行こうよ~」
「行く!」
完全に男のプライド<ケーキだった。
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