193 / 346

《17》

そんな女子に囲まれた利久を、諏訪と御子柴と金田の三人は遠目から見ていた。 「エグい話してんなー…」 諏訪がポツリと呟く。 「女って何でホモ好きなんだろな…」 御子柴もげんなりと眺めている。 「ていうか、女子にチヤホヤされてズルいよな!」 「いいね~、金田。お前は能天気で」 「あれは天国に見せかけた地獄だぜ?」 金田だけが身を乗り出してその光景を羨ましがっていた。 「ところで、あれ何の騒ぎ?」 不意の問いかけに、三人は振り返る。 見れば、いつの間にかトイレへ行っていた優と良次が戻ってきていた。 「何だ、大和と二人で便所に行ったからお楽しみかと思ったら早かったな」 「はぁ?」 御子柴の言葉に優の眉間に皺が寄る。 「処女捨ててきた?」 「何で俺がビフォーアフターで非処女みてぇな言い方してる訳?」 「いや、二人でいかがわしい事しに行ったのかと思って」 御子柴と優の会話を黙って聞いていた良次が不意に口を開いた。 「何で俺が男と尻の貸し借りしなきゃいけないんだ?気色悪い」 「大和って開き直るの早いよな…」 やり取りを見ていた諏訪が呟いた。

ともだちにシェアしよう!