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騒ぎの後で《1》

「何でお前等が付き合ってるのが学校中の噂になってんだよ、ああ!?」 「……すいません」 俺は、相原の剣幕についていけず、絞り出す様に謝る。 翌日の昼休み、俺は相原に呼び出されて空き教室に居た。 昨日、良次が教室に戻ってきた事に気づいた女子達は、今度は良次を取り囲んで質問責めを始めた。 良次は、笑顔で何だか俺達の馴れ初めを脚色して女子達に説明していた様で、終いには感動して泣き出す子までいた。 最早、最終的には身に覚えの無いお涙頂戴話になっており、誰の何の話なのか当人の自分にさえ分からない話になっていた。 ちょっと良次が怖かった。 「おいおい、小野部が悪い訳じゃねぇっての。うちの大将が嫉妬に駆られた挙げ句に暴走して暴露したんだから、文句なら良次に言えよ」 「俺が大和に言える訳ねぇだろ!?だから、コイツに言ってんだ!!」 「……すいません」 「何だ、そりゃ…。小野部も謝んなくて良いから…」 優が呆れて俺の肩を叩く。 だから、慌てて首を横に振った。 「や…、でも…、俺…そういう恋愛事に疎くて…、良次の気持ち考えてやれてなかったから…」 「はぁ~…、良次よりか小野部の方がよっぽど男らしいのな」 「く…くく…」 「志水……、笑い声漏れてるぞ……」 堪えきれないといった志水の笑い声に、優がジロリと恨めしげな視線を送った。 「すまない…、だって……、あの良次が ね…、俺も見たかったよ」  笑いを堪えながら話す志水に優が肩を竦めて首を振る。 「や、本当に地獄絵図だったから。男子皆ドン引きよ?」 「それで、女子全員味方につけちゃった訳だ、お姫様は」 急に志水にふられて、俺は首を傾げた。

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