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《3》
いつの間にか相原の背後に立っていた良次に、相原が飛び上がる。
どうやら、委員長の仕事が終わったらしい良次の登場に、相原は完全に血の気が引いている。
「「意義なし」」
手を上げた優と志水の声が見事にハモる。
「て、テメェら…!」
相原が優と志水を恨めしげな目で、ギリギリと歯を噛み締める。
「ようどう…のおとり…?」
聞き慣れない言葉に俺は首を傾げた。
そんな俺を見て、志水がクスリと笑う。
「要は他グループと大規模な喧嘩の時に相原が注意を引きつけてくれるって事だよ。敵方がそっちに気を取られている間に、攻め込むって訳だよ」
志水が話してくれた説明を聞いて驚く。
一人でしか喧嘩をした事しか無い自分は作戦なんて立てた事は無い。
大勢で行動を共にする場合はきっと必要な事なのかもしれない。
だけど、仲間が助けに来なければ、そのオトリとやらはどうなってしまうのだろう。
「相原って勇気あるんだな」
「テメェ話聞いてたのか?ぶっ殺すぞ」
感心して何気なく呟いた俺の言葉に、相原の口元がひくつく。
「でも、んなまどろっこしい事してないで片っ端からぶっ飛ばせば良いんじゃねぇか?」
「…………」
俺の言葉にその場にいた全員が急に黙り込んだ。
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