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《3》

じっと良次が見つめてくるから、 思わず俺も恨めしげに良次を上目で見る。 「…寂しい奴とか思ってるだろ」 高校生にもなってガタイの良い男が、ぬいぐるみにそこまで執着しているのは、客観的に見たら、ちょっと、いや、かなりヤバいかもしれない。 クマのぬいぐるみしか友達がいないのかと呆れられてしまったのではないかと、ちょっとだけ心配になる。 だけど、良次の口から出た言葉は予想外のものだった。 「妬けるな」 「え?」 「妬けるって言ったんだ」 一瞬、良次が何を言っているのか分からなくて、キョトンと良次を見る。 だけど、暫く考えてその意味を理解して顔が赤くなる。 「ぬ、ぬいぐるみの話だぞ…?」 「ああ」 「良次…?」 「今度は、ぬいぐるみじゃなくて俺が利久の事を守ってあげる」 「え?」 「だから、怖い時や辛い時は俺を呼んで。必ず、何処に居ても利久を助けに行くから」 真っ直ぐに見つめられて、見惚れていると、いつの間にか良次の顔が近づいてくる。 まるで作り物の様に綺麗な顔がすぐ目の前にある。 肯定の言葉は、良次に飲み込まれてしまった。 その夜、子供の頃の夢を見た。

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