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《14》

正直、付き合ってから良次と喧嘩なんて初めてだった。 良次が部屋を出て行った後、暫くぼーっと観てもいないテレビの画面を見つめていた。 良次を怒らせてしまった…。 いつも優しい良次の素っ気ない態度は、正直堪えた。 いつもは俺がどんな失敗をしてしまった時も、笑って大丈夫だよと言ってくれる。 そんな良次が、どんなに話し掛けても目も合わせてくれなかった。 思い出すと、悲しくて涙が出そうだった。   いつも一緒に眠っている良次の部屋に行くと、既に良次はベットに横になっていた。 「良次………?」 小さな声で話し掛けてみるけれど、返事は無い。 もう寝てしまった様だった。 良次は、俺に背を向ける格好で眠っていた。 起こさない様に静かにベットに滑り込む。 いつもなら、良次に引き寄せられてくっついて眠る。 こんな風に背中を向けられた事なんて初めてだった。 背中に寄り添うけれど、良次の反応は無い。 すぐ近くにいるのに、まるで良次が遠くに行ってしまった様で鼻の奥がツンと痛んだ。 初恋の人が居た事がいけなかったのか、それともその相手が男だった事が問題だったのか分からないまま、その日は先に寝てしまった良次の背中を見つめながら眠りに就いた。

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