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《3》

「もしくは、志水の事を女王様って呼ばすからな」 「お前…、社会的に俺の立場を抹消する気だろう…」 志水の様な美人を女王様と呼んでいる相原を想像してしまい、シャレにならない絵面にゾッとする。 志水が美少年だけに、やけに生々しい。 そんな志水を女王様なんて呼ぼうものなら、周囲の相原を見る目は変わってしまうだろう。 相原の方を見ると、やはり同じ想像をしたらしく青ざめている。 「俺がいない所で俺を巻き込むのはやめてくれないかな?」 「志水!?」 突然現れた志水に、驚いて声を上げると、志水が俺と良次の繋がれた手を一瞥してにっこりと微笑む。 「やぁ、お姫様。仲直りできたみたいで、良かったね」 「ほ、ほんと、お騒がせしました…」 本当に志水には心配を掛けてしまった上に、俺達が仲直り出来るように俺に告白するという罰ゲームみたいな芝居までさせてしまって、申し訳なさに項垂れる。 そんなやりとりをしていた俺から志水を遮るように、良次が俺の前に出る。 「お前は必要以上に利久に近づくな」 「ちょっ、りょ、良次……!?」 冷たい目で志水を射抜く良次に、思わず固唾を呑む。 そんな良次の態度にやれやれといった様子で志水が肩を竦める。 「ごめんな、志水。良次何か勘違いしてるみたいで…」 「いや、それだけお姫様の事が大事なんだよ」 苦笑いしながら、志水は良次に向き合う。 「良次、一昨日はすまなかった」 「お前、気づいてたんだろ?」 「確信したのは、一昨日だよ。もうあんな事はしないし、お前の信頼を取り戻せる様に尽力する。だから、許してほしい」 良次に向かって頭を下げる志水に、フンっと良次が鼻で笑う。 「そうあって欲しいもんだな」 志水が大人で良かったと胸を撫で下ろす。 早く誤解が解けて、元の仲の良い二人に戻ってほしい。 相原だけが、 「え?何?この雰囲気?」 と状況を飲み込めていない様だった。

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