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《5》*

駄目だ。 ここは、家じゃない。 他の部屋には、志水や相原や、他の奴らだっているのに。 必死にその事実を手を伸ばして拾い集めなければ、簡単に流されてしまいそうで、歯を食いしばる。 「震えてんの?お前…」 でも、ダメなんだ。 良次の熱っぽい囁きを聞くだけで、まるで条件反射みたいに、頭が霞がかってしまう。 馬鹿みたいに、良次に触れて欲しくなる。 「お前の方が俺より強いのに、なぁ?」 良次の手が腰と脇腹を優しく撫でる。 「こんなに、震えちゃって…」 「や…だ…」 ビクビクと体が震える。 良次に触られる所が、ビリビリと微弱な電流が流れるみたいに、痺れる。 「っ、あっ…」 思わず漏れた声に、慌てて手で口を覆う。 それを見た良次が息を吐く様に笑った。 「まだ、腰撫でてるだけだぞ」 あまりの恥ずかしさにカッと顔が熱くなって、目尻に涙が滲む。 反論も肯定も出来ずに、目をキツく閉じて、横を向く。 「ほんっと、可愛いな」 何が可笑しいのか、心底楽しそうに良次が喉の奥で笑う。 「此処で…、すんの…………?」 縋る様に、良次を見上げれば、意地悪そうに良次が片方の口の端を吊り上げる。 「お前次第だな…、でも…」 「ひぅっ…!?」 俺の股間を良次の膝が、優しく押し潰す。 「こんなちんぽで、お前集会出られんの?」 「…あっ、はっ…」 言われて、良次の膝に踏まれている股間を見れば、そこはズボンを押し上げて、引き返せない位には勃起していた。

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