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《24》

まず、天皇寺と恋愛って言葉の似合わなさに理解するまでに時間が掛かり、 更にその天皇寺が良次を好きだと言う優の言葉を理解するのに、また時間が掛かる。 「はあぁ!?」 たっぷりと時間を置いて、思わず出た俺の声は裏返っていた。 「え!?何!?て…、天皇寺ってホモなの!?」 「さぁ?アイツの恋バナとか聞いた事ねぇけど、志水から天皇寺の彼女が居た話は聞いた事あるから、ホモではねぇと思うけど」 「けど…?」 「まぁ、関係ないだろ。良次が相手なら」 優が、笑う。 「老若男女誰に好きだって言われても驚かねぇよ」 「………………」 確かに、良次位美少年で、作り物の様に美しい容姿をしていれば、男女問わずもてるのも不思議じゃない。 「何回か本人に鎌かけてみたんだけど、天皇寺も馬鹿じゃないから引っかかんねぇし、絶対認めねぇんだよな。でも、少なくとも俺と志水はそう思ってる」 「し、志水も…?」 「まぁ、俺と志水は良次とも天皇寺とも付き合いが長いからさ。良次が男だから諦めてた所に、男の恋人が現れたもんだから、普段より余計に神経質になってんじゃねぇの?いつもは、もっとクールぶってんもん、アイツ」 沈黙が訪れる。 つまり。 俺が天皇寺に嫌われてる理由って、俺が部外者だからとか他のグループの奴らにも目をつけられているから入り浸られて厄介だとか、そういう要因以外に、 天皇寺が良次の事が好きだから、 良次の恋人として男の俺が、突然現れたから、 俺の事が嫌いって…事? 「え……………、何で今その話したの…?」 「いや、丁度良いタイミングかなって」 「いや、最悪だよ!あんな事があったすぐ後に、そんな話聞かされて、どんな顔で出ていけば良いんだよ!?」 突然知っしまった新たな関係性に、俺は更に頭を抱える羽目になった。

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