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《27》
「佐久間、もうやめろ。利久が見苦しいってよ」
見かねた良次が佐久間に顎を決らせながら言うけれど、俺はぎょっとして良次を振り返る。
「言ってない!見苦しいなんてそんな言い方してないっ!」
「同じ事だろ」
「同じじゃねぇからっ!」
「す、すんませんっ!」
良次の見苦しいという発言に、佐久間達が慌てて立ち上がって深々と頭を下げる。
いや、何、この罪悪感。
「小野部さんっ!」
「は…、はいっ?」
「小野部さんが、メビウスに入ってくれたって聞きました!」
「いや、入ったっていうか、厳密には違うっていうか…」
「俺を、小野部さんの舎弟にして下さい!!」
「はあああああぁぁあぁぁ!?」
「絶対お役に立ってみせるっす!」
「いや!俺、そんな、舎弟とか困るからっ!」
一人で慌てまくってる俺の肩を優が宥める様に叩く。
「プライドの高い佐久間がこんな事言い出すなんてな~。良いじゃん、小野部、舎弟にしてやれよ」
「お前…っ、他人事だと思って適当に言いやがって…!」
「あんま堅苦しく考えんなって。ほら、ジュース買ってきてもらったり、パン買ってきてもらったり、気楽に考えれば良いんだって」
「いやっ、それパシリだろ!?」
「兄貴!!」
「あ…、兄貴…?」
突然そう呼ばれて、俺の口元がヒクリと引き攣る。
いや、ほんとに、オカマとかお姫様とか兄貴とか、これ以上あだ名のバリエーション増やしてどうすんだよ。
「兄貴が買って来いってんなら喜んで買ってきます!」
佐久間が眩しい位の真っ直ぐな目で訴え掛けてくる。
「そ、そんな事させねぇからっ!!」
「肩揉みでも、何でもさせて下さいっ!」
「だ、だから…!」
「間違いが起きるといけねぇから、お触り禁止だからな」
「………………良次は、ほんとに話がややこしくなるから…、黙っててくれ………」
割って入ってきた良次に、俺は更に頭を抱えた。
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