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《4》
「聞かされた方は、たまったもんじゃねんだよっ…!」
「………仰る、通りです……」
マジで、泣きたい。
いや、ちょっと泣いてる。
「テメェらは聞かして盛り上がってたのかもしんねぇけどなっ、テメェらのプレイに巻き込んでんじゃねぇよっ!!」
「……………誤解です………」
震えた、か細い声が口から漏れる。
一向に怒りが治まらない様子の相原を前に、俺は床に頭を擦り付ける様に項垂れた。
その時だった。
「な!?何してんすかっ!?」
入口から、酷く狼狽えた声がして、顔を上げれば、そこには今来たばかりらしい佐久間が、呆然と立ち尽くしていた。
「さ、佐久間………?」
一瞬、何故佐久間がこんな所に居るのかと思ったけれど、すぐに、佐久間もうちの学校の生徒だったのかと納得する。
俺の呟きに、佐久間はハッと我に返り、慌てた様に土下座スタイルの俺に走り寄ってきた。
そして、キッと相原を睨みつける。
「おいっ!お前…、兄貴に何させてんだよっ!?」
「………佐久間、兄貴は勘弁して……」
味方をしてくれる佐久間が頼もしかったけれど、佐久間の言動もまた、俺の胃痛の種だった。
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