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《5》

「うるせぇ、佐久間っ!!」 相原が佐久間を一喝するが、それに佐久間が怯む様子はない。 「お前はっ、いつまでそんな態度でいるつもりだよっ!」 「テメェこそ、コイツにボコボコにされたの、まさか忘れた訳じゃねぇだろうなっ!?それが、何だっ!?ヘコヘコ媚売りやがってよ!!」 「…お前が、俺の仇だと思って兄貴に食って掛かってんのは、分かってるよ」 相原と対等に話している佐久間に、違和感を感じる。 俺には敬語なのに、相原にはタメ口で話しているし、ひょっとして、二人は親しいのだろうか? そう言えば、グループ内では年齢による序列は無いって誰かに聞いた気がする。 だからなのか…? 「さ、佐久間って、相原と仲いいのか…?」 疑問を口にすれば、佐久間がすぐに頷く。 「俺と相原は、ガキの頃からの付き合いで親友なんすよ。クラスは違うんすけど、同級生っす」 「え…?」 相原と同い年って事は、もしかして、佐久間って先輩なんじゃ…。 先輩に兄貴って呼ばれるって、一体どういう状況なんだよ…。 新たな事実に、また俺のメンタルが削られた気がする。 「…最初は、確かにそうだったかもなぁ!だけどな、佐久間。よく聞けっ!」 そこまで言って、ギッと音がしそうな程、相原が俺を睨みつける。 「俺は、ソイツがお前の仇だってのを差し引いても…!」 相原のあまりの剣幕に、俺の喉が思わず音を立ててゴクリと唾を飲み下す。 「コイツの事がだいっっ嫌いなんだよっ!!」 「相原……、お前向こう一ヶ月便所掃除当番な」 いつの間にか、良次が相原の背後に立って、にっこりと微笑んでいた。

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