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《7》

「…な、何言ってんだよ…!」 良次って、俺の事好きでいてくれるって分かりすぎる位、言葉にしてくれるし、態度にも出る所は嫌な訳じゃないけれど、ちょっと…、いや、かなり盲目的っていうか…。 どうも、俺の事、客観的に見れてない節がある気がする。 俺の魅力に気づいて、変な気を起こすって…。 頭の中で繰り返しても意味が理解出来ない。 いや、したくない。 思わず声を荒げた俺を尻目に、良次が黙り込んでしまう。 「良次…?」 「焦った…」 「え?」 「あの時…。お前が、志水に取られるんじゃないかって」 良次が馬鹿な事を言ってるなとは思った。 だけど、あまりに良次が真剣で動揺してしまう。 「あ、あれは志水の冗談だろ。俺達が、あんまりうじうじ悩んでっから、焚きつけてくれただけで…」 「いいや、あれはマジな告白だった」  「もぉー…」 頭を掻き毟る。 埒があかない。 「あのなぁ、良次…」 恥ずかしさに躊躇しながら、俺は良次を睨みつける。 「まぁ、んな事絶対ないと思うけど、もし、もしもだぞ!仮にまかり間違って、俺が誰かに告白される事があったとしても、良次と付き合ってるんだから、他のやつに目移りするなんて、絶対にないから」 自分でも、何を言ってるんだと思ったけれど、良次に分かってもらいたくて、恥ずかしさを堪えて必死に口にする。 たった一度だってモテた事のない自分ごときが、なんて図々しい事を言っているのかと、羞恥で憤死しそうだ。 だけど、そんな俺が必死に伝えても、良次は納得いかなそうに、押し黙ったままだった。

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