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《13》

「ぶっははは、マジかよ小野部!!!!」 「ぎゃはは、ゴリラじゃん!メスゴリラじゃん!」 「うるっせぇ!お前らだって大概化け物だろぉがっ!!」 チャイナ服とナース服だかを着て人を指差して笑い転げる御子柴と金田を、睨みつけて怒鳴る。 2人もとても女には見えない酷い有り様だったが、それでも俺に比べたら大概マシに見える。 その騒ぎを聞きつけたミニスカポリス姿の優が近づいてくる。 優も身長が高いけれど、顔が整っている所為かスタイルが良い所為か、外国人の綺麗な女性みたいで妙に様になっていた。 「おっ!小野部似合ってんじゃん」 そんな優に、そう言われて、俺は恨みがましい視線を返す。 「優…、お前、どこ見て言ってんだよ…!適当に言うな!」 「いや、確かにデカいし、厳ついし、女装っていうより男が女物の服着てるだけって感じだけどさ、見ようによっては可愛いってか、マニア受けしそうってか」 「マ…」 マニア受けとは…? 優の言っている意味は全く意味が分からないけれど、全くフォローになっていないという事だけは、何故か分かった。 「ハハハッ!よかっ…、良かったな…!その筋には需要あるかもってよ…、ヒーッ」 「いや、その筋って何…。んで、いつまで笑ってんだよ…」 呼吸困難になりそうな位爆笑しながら、呼吸の合間に息も絶え絶えな御子柴を睨む。 …まぁ、引かれるより、笑って貰えるだけマシだけどね。

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