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《16》
「…………」
「…………」
「…………」
三人共、硬直して目の前のジュースだがお茶だかが飛散したテーブルを凝視する。
そして、それを叩きつけた人物を見上げて驚いた。
「…………え?」
そこには絵に描いた様な信じられない位に美しい美少女が、仁王立ちで志水と相原をまるで親の仇の様に鋭い眼孔で睨んでいた。
俺達は茫然とその姿を見つめる。
クラスにこんな綺麗な子いたっけ?
そう思いながら見蕩れてしまって気づく。
確かに見た事がない女の子の筈なのに、何故か見覚えがある。
そこまで考えてハッとする。
いや、まさか。
でも…………。
「りょ、良次…?」
俺の言葉に、ピクリと反応した美少女を見て、目の前の絶世の美少女が良次であると確信する。
「………………先輩方、うちの店はそういうサービスはないんで」
「「……………はい」」
冷え切った声で良次に言われ、志水と相原の声は見事にハモっていた。
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