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《20》
「あれ?」
「え?…ウソ、やばくない?」
急に何かに気づいた女子達が騒ぎ始める。
「え?どうした?」
「い、今話してたバンドのボーカルの人!」
「へ…?」
亜希の指差した先に視線を辿る。
そして、驚きのあまり、俺は目を見開いた。
「ゆ、」
見覚えのある顔が視界に映って、思わず叫んでいた。
「勇介!?」
「え?と、利久!?」
「な、何でここに!?」
この場にいる筈のない親友を見つけて、俺は思わず勇介に駆け寄った。
「いや、俺は学園祭のライブに出るんだけど…。利久が通ってる学校だから、利久に会えるし、利久を驚かせられるかなって…」
「え!?何だよ、そのサプライズ…!超びっくりした…!」
「そ、それより、利久…何て格好………」
「……………へ?」
勇介の言葉に、ハッと思い出す。
女装のままだった事を。
「いや!これは、その…!クラスで女装喫茶してるからで!お、俺の趣味じゃねぇからなっ!断じて!」
「びっくりした…。そうなんだ。久しぶりに会って、すげぇキャラ変わったのかと思って、焦った」
「んな訳あるか!」
罰悪く俺がふて腐れると、勇介がフハッと噴き出した。
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