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《21》
「Grand Chariotの勇介くんですよね?」
「実物の方がイケメン~」
俺を追いかけてわらわら集まってきた女子達がキラキラした瞳で勇介を見つめている。
「利久の友達?」
「あ、ああ、うん。うちのクラスの女子。ほぼ全員いるな。皆友達で、仲良くしてもらってんだ」
この間は、ケーキが美味しいって評判の店に皆で行ったし、今度はネズミのキャラクターの遊園地にも女子皆と行く約束もしている。
嫉妬深い良次だが、女子達と出掛けたり話したりするのは何故か大丈夫みたいで、この間は予約まで良次が手配してくれた。
優に話したら、「アイツは根っからの女好きだからな」って鼻で笑ってて、ちょっと複雑だったけど。
志水が、「お姫様の事信頼してるんだよ。間違いが起こらないって確信があるから、笑って送り出してるんだよ」ってフォローしてくれたから、悪い気はしなかった。
ただ、それを傍から聞いていた相原が「ケッ、どうせこっそり監視してんだろ」って言ってたのが、ちょっと気になったけど…。
「いや、びっくりしたよ…。セーラー服姿もだけど、女の子の輪の中にいたから」
「あ、ああ…。前のトコじゃびびられて、女子どころか、クラスの奴らと話す機会もなかったもんな、そういや」
勇介と話してると、百合子が俺のセーラー服の裾を引っ張る。
「ねぇ、トッシー!グラシャリの勇介くんとお友達なの?」
「あ、ああ。幼稚園からの幼馴染みで、親友なんだよ」
俺がそう言うと、途端に皆の目の色が露骨に変わる。
「あのあの、私、トッシーの大の仲良しの百合子って言いま~す!」
「あ!私、トッシーとはクラスで一番仲の良い亜希です!」
「私は、大親友の琉華っていいますぅ」
あっという間に囲まれてしまった勇介を見て、女って逞しいなと思ってしまった。
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