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《27》
「いつまで、そんなやらしい格好してんの?って言ってるんだけど?」
言いながら、スカートの脇から、俺の太腿を良次の手が這う。
驚いて、体が跳ねた。
今、良次にされている事と、良次に言われた言葉が結びつかなくて、慌てて良次の手を掴む。
「な、何馬鹿な事言ってんだよ…」
「馬鹿な事?」
良次が、ハッと鼻で笑う。
「こんな…、簡単に下着が見えそうな格好…、猥褻以外の何物でも無いだろう」
「い、いやいやいや!女子はみんな履いてるだろ!」
男の自分がスカートを履いてる事は問題だと思うけど、スカート姿自体をいやらしいと言われる意味がさっぱり分からない。
「女の子がスカート履くのは可愛いから良い。でも、利久は駄目だ。エロすぎる」
「な…に、言ってんの…?」
何がエロいって?
「こんな…、煽情的な格好して…、襲ってくれって言ってるみたいなもんだ」
「せん…何…?襲ってくれって…」
何やら聞き慣れない言葉に混乱するけれど、言葉の文脈からして、ろくでもない事を言われてるに違いない。
「あのなぁっ…、こんな格好でそんな気起こすヤツなんていな…っ!?」
俺が手を掴んでいて動かせないからか、良次はあろう事か、俺の太腿に股間を押しつけてきた。
「な、なななな何考えてんだよ…!」
情けない程に声が上擦る。
だって、押しつけられた股間が、あまりにも熱くて固かったから。
俺は涙目で良次を睨みつけた。
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