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《29》*
「良次…、た、頼むからやめ……」
「ふっ…、やめろとか口では否定しといて、お前だって興奮してるじゃねぇかよ…」
「あっ…!」
良次に指先で股関の先を不意につつかれて、思わず高い声が漏れた。
驚いて口を掌で覆い、視線を落とせば、いつの間にそうなってしまったのか、俺の股関はスカートを緩く持ち上げていた。
「えっろ…」
「…っ」
「そういや、自分でセーラー服着たいって言ったんだっけ?」
「!?」
「女の子の格好したかった?スカート履いて興奮してんだ?」
「ち、ちがっ…!」
「違う?俺は、まだ何もしてないのに、スカートの下のチンポ勃起させて。違うは、いくらなんでも無理があるだろ。…いつからここをこんな風にしてたんだか…」
違うと首を振るけれど、良次に指摘された通り、こんな有り様では説得力の欠片もない気がした。
ただ、本当に、そんな趣味は無くて…。
良次が俺がこんな格好してるのに、それを見て興奮している事に、…興奮してしまったというか。
良次が何故か苛立っている事に混乱もしている。
頭の中で言い訳をすればする程、結局良次の言う通りの様な気になって、自分を責めて泣きたくなった。
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