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《35》*
ぐちゅぐちゅと後ろを指で犯されて、こんな恥ずかしい事を言われているのに、気持ち良すぎて自分の意思とは関係なく腰が揺れてしまう。
「口ではやだとか言いながら、気持ち良さそうに腰振っちゃって…」
「ぁ…、違っ…、勝手に…動いちゃ…」
「ふっ…淫乱」
良次に鼻で嗤われて、1つも自分の意思通りにならない体に、涙が溢れた。
前が張り詰めて、兎に角イきたくて、出したくて、自分のモノに手を伸ばした。
途端、その手を良次に捕らわれて面喰らう。
そんな俺に、良次が追い討ちをかける。
「後ろだけでイケるでしょ?利久は女の子なんだから」
「やだぁ…、あっ…、ああ、無理…あ…あ…」
期待していた快楽を得られなくて、半ばパニックの俺を見て、良次が意地悪く笑う。
それを見て、凄く気持ち良い体とは裏腹に、心の中が酷く冷えて悲しさでいっぱいになった。
さっき、確かに良次に自分から参加したいと言ったんだと告げた。
でも、それは、良次の役に少しでも立ちたかったからだ。
それなのに、役に立つどころか、結局良次を怒らせてしまった。
だから、良次はこんな意地悪を俺にするんだ。
そう思い至ると、涙は次から次へと溢れ出してきた。
「違う…!ぐすっ…、うっ、うっ…」
「………苛めすぎたな」
「お、俺、良次の役に立ちたかった…だけ…なんだ…ひっく…」
「え…?」
「お、俺…、いつも良次に、迷惑掛けてばっ、ばっかりだか…ら、っ…、っ…、ちょっとでも…、役に…立ちたくて…、学園祭の…クラスの売り上げとか…、が、頑張れば、良次の…役に立てるかな…って…」
「………」
「け、結局…、また良次を…お、怒らせて…ひっく」
「…利久、よしよし、俺が悪かったよ」
困った様に良次が笑って、子供みたいに泣きじゃくる俺をあやす様に優しいキスを繰り返す。
「ん…ふ…、あっ…!りょ、良次…、もう、怒って、ねぇの…?」
「怒ってないよ…」
「良かっ…たぁ…」
「ほんと、可愛いな…利久は…」
いつもの優しい良次の顔と声に、俺はようやく安心して甘える様に良次に抱き付いた。
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