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《36》*
「利久は、いつでもちゃんと役に立ってるよ…」
「え…?」
良次の言葉に目を見開く。
「だけど、役に立つとか立たないとか、そういうんじゃないんだよ、本当は…」
続く言葉に首を傾げれば、良次が可笑しそうに笑った。
「役に立っても立たなくても、利久は俺にとって必要だって事…」
「良次…」
「利久が傍に居てくれないと困るよ」
もしかしたら、俺はその言葉が聞きたかっただけなのかもしれない。
ただ、良次に必要とされてるって、言葉にして欲しかっただけなのかもしれない。
ぎゅっと良次に抱き着くと、良次が困った様に笑う。
「それで…あー…、その…利久…、続き、していい?」
腰に良次の硬いままの熱いモノを押し付けられて、ちょっとだけ呆れて半目で見てしまう。
だけど、
いつだって、良次はなんだかんだで俺の一番欲しい言葉をくれる。
それは、いつだって俺の事を考えていてくれるからだよな。
「や…、優しくしてくれんなら…」
そう言った俺に向けられた笑顔が爽やかすぎて、一瞬何を聞かれたのか忘れてしまいそうだった。
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