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《39》*

「…ん…、声我慢してんのも、可愛い…」 「ふ…っ…ん……」 「でも、利久の可愛い声聞きたいから、帰ったら好きなだけ声出して良いからね」 「~~~~~」 まさか、良次の奴、家に帰った後もまだやるつもりじゃないよな? 明日以降の話だよな? 一抹の不安を胸に抱えながらも、声を我慢している今、問い詰める事は叶わなかった。 「本当に、利久の事が好きだよ…っ…」 「…っ…ん…、りょ……じ……はっ、あ…っ…」 「利久が…、あんまり可愛いから、他の奴らにちょっかいをかけられないか、心配になるんだよ…」 ゆるゆると俺の弱い場所を擦る為に揺すられていた良次の腰が止まる。 少しだけ、悩ましげに良次の眉間に皺が寄せて、良次が俺の顔を覗き込む。 普段は、あんなに俺様なのに、何するにも自信に満ちあふれてる癖に。 今、目の前にいる暴君は、とても弱々しく見えた。 良次が困っているのに。 それが、少しだけ嬉しいなんて。 俺は、性格が悪いのかもしれない。 でも、嫉妬してくれて嬉しいと思いつつ、お前には安心して貰いたいんだ。 だって、こんなに良次の事が好きなんだから。 だから、お前は心配なんてする必要ねぇのにな。 「そんな心配しなくても、俺が好きなのは、良次だけだよ…」 「………利久………」 「男も女もねぇんだって…。俺には、良次だけなんだ………」 俺は、頭は良くないけど、 こんなに愛おしいと思うのも、夢中になるのも、後にも先にも良次だけだと思うんだよ。 だから、良次の事を大切にしなきゃいけないっていうのだけは、ちゃんと分かってるんだ。 俺は目の前の良次の背中に腕を回して、引き寄せた。

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