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《2》
「あ…、でも歌は好きかな…。流行りの曲とかはあんま知らねぇけどさ。歌うのは下手だけど、聴くのはすげぇ好き…って、良次?」
「ちょっと待っててね」
良次が俺の隣りをすり抜けて、実行委員の元に向かう。
暫くすると戻ってきて、
「おまたせ」
と微笑んだ。
「何話してたんだ?」
「まぁ、後で教えるよ」
「うん?」
続けて良次が携帯を操作する。
一体何をしているのかと首を傾げる俺を、操作し終わったのか、良次が見つめる。
「利久のさっきの言葉、嬉しかったけど、俺は欲張りだから、何でも利久の1番じゃないと我慢出来ないんだよ」
「良次…」
困りながらも良次が勇介に嫉妬しているんだと気づいて、少し嬉しいと感じてしまう。
「しょうがねぇヤツ…」
呆れた様に呟いたつもりだったのに、声に甘さが混じる。
そんな自分の声を聞いて、自分は心底良次に惚れているのだと思い知らされる。
きっと、だらしない顔をしていたと思う。
そんなだらしない顔をした俺を見て、良次は愛しそうに綺麗な目を細めた。
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