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《3》

ライブは大盛り上がりの中、いつの間にか終わっていた。 気がつけば勇介の姿も無く、会場からは人が徐々に捌けていく。 「ライブ、終わっちまったな…」 ポツリと呟く。 スケジュールのラストがこのライブだったから、これで学園祭は終わりだ。 初めて参加した学園祭。 中学や前の学校では、イベント事はサボってきたし、そもそも俺なんかが居ない方が平和だった。 だから、クラスメイトと一緒に何かしたり、頑張ったりするのは初めての経験だった。 自分が参加した学園祭が終わるのが、少し寂しく感じる。 小さい頃、勇介と遠足に行った帰り道みたいな感覚だ。 特別な日の夕焼けみたいな。 夏休みの終わりに見つけた蝉の抜け殻みたいな。 充実感があるのに、切ない感覚。 楽しかったから。 終わるのが、勿体ない。 そう思っていると、急に校内放送が流れる。 『間もなく、生徒によるスペシャルライブが体育館で行われます…~』 「え?」 俺は目を瞬かせる。 生徒のライブは、勇介達のライブが始まる前に終わった筈だ。 さっき百合子達がスケジュールを見せてくれたから間違いない。 そんな予定なんてあっただろうかと良次を見ると、何故か悪戯っぽい笑顔が返ってきた。

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