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《7》
優の袖を引っ張る。
「笑い事じゃねぇって!」
どうしよう。
別に俺が頼んだ訳じゃないけど、この事態が自分のせいだと思えば、責任を感じてしまう。
何より良次が恥をかく所なんて、絶対見たくない。
「優~…、一緒に止めてくれよ…!」
「面白いから見てようぜ」
「はぁ!?」
「んで、後々黒歴史として揶揄ってやろうぜ」
「あ、あのなぁ~…」
「小野部も笑って楽しめば良いんだよ」
「わ、笑える訳ねぇだろ…!」
「わろとけわろとけ~、お前を喜ばしたくてあんなバカな事してんだから」
」
「お、俺を…?」
「他に何があるんだよ。小野部の気を引きたいんだろ」
いや、気を引きたいって。
確かに心臓はバクバク言ってるけど、心配過ぎて心臓がもたない。
「そ…、そういえば、何で相原までステージに…?」
「相原は趣味で普段からギター弾いてるからな。大方、相原にメンバーやら何やら手配させたんだろ。アイツも無茶ブリされて災難だな」
だから、さっきから睨まれてるのか…。
これは、きっと学園祭が終わったら怒られるヤツだな…。
俺は更にガックリと項垂れた。
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