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《13》

尻に張り付く手を掴んで、その手の主を睨みつける。 「何してんだよ!?」 「いや、そこに利久のお尻があったから」 「…そんな、そこに山があったからみたいに」 「ノーパンなんだなって思ったら、こう、ムラッと…」 「っ、さっき、したばっかなのに、何言ってんの?」 本当に、せっかく綺麗な顔で、カリスマ性もあって、何でも出来てカッコイイのに、どうしてこうなのだろうか…。 性欲なんてまるでありませんみたいな上品な顔をしているのに、蓋を開けてみればエロ大魔王なのだから、神様はどんな配分で良次を作ったのだろうかと思う。 「大体、お前が俺のパンツ持ってんだろ。返せよ…」 「だぁめ。まだ使ってないし」 「使うって何にだよ!?」 不穏な言葉に声を荒げれば、良次が声を出して笑う。 俺が慌てたり焦るのを見て揶揄って楽しんでるんだ、絶対。 「はぁ、本当、仕方ねぇな…」 呆れて溜息を吐く。 カッコイイ所もどうしようもない所も、全部ひっくるめて良次で、 そんな良次を好きになったのは自分なんだから。 「帰ったらもう一回しような」 「…………うん」 てんで悪びれる様子の良次の言葉に、暫くの沈黙の後、微かに頷く。 そんな俺を見て、満足そうに微笑んだ良次は、とんでもなく下世話な事を言っているのに、やっぱり綺麗だった。

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