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第5話

「がっついてくんな」 文句を言っても恭平は止まらない。 「そりゃ、がっつくだろーが好きな奴が目の前で可愛い姿になっとったら!」 と結局は恭平の気迫と力にまけて素股する羽目になってしまった。 太ももに感じる恭平の熱とエロい事をやっているという恥ずかしさが混ざって変な気分になってしまう。 そして、恭平が自分の上で動いて荒っぽい息を吐いているから本当にセックスをしている気分になってゆく。 下から見上げる恭平は色っぽくてカッコイイ。 「きょ……へい」 思わず恭平に両手を伸ばす。すると彼も一護を抱き上げるように起こしそのまま抱き締めてくれた。 「やばい、お前可愛か……くそ、挿れちゃだめ?」 「……だめ、今日は」 ん?あれ?俺……いま、なんて言った? 一護は自分が言った事を思い出そうとするが「やばい……いまのでイッた」という耳元の荒っぽい声で何を言ったか消えてしまった。 互いに荒い息を吐いて「ベタベタになったな、着替えた方が良さそうやな一護」と言われて自分の身体を見るとシャツにベッタリと白い何かが。あと腹の辺りにもベタベタと。それと太ももとか。 「悪い俺のだ、溜まってたから」 へへっと笑う恭平。 「洗ってやるから怒るなよ」 恭平はヒョイと一護を抱き上げた。 「わあ、やめろ!このまま下に行く気か」 「だからおばちゃんは買い物」 「野郎2人がフルチンでウロウロとか嫌だ」 「ばってんイカ臭いままで良かとか?おばちゃんにそれこそバレるやんけ」 そう言われてぐっと黙る。 結局は恭平と風呂に入る結果になるのだがお姫様抱っこってどうよ?28の成人男性が。 風呂場でも洗う口実で身体中触られまくった。 小さい頃からお風呂に入っていたけれど流石に中学になると入らなくなるし、体格の違いで身体の特徴とかも差がつくし、体毛とか気にしていた。 「お前、毛薄くない?」 「えっ?」 恭平の言葉に一護は髪を触る。 「違う違う髪やなか!体毛、色白やし、女子みたいやん?乳首ピンクとかエロい」 つんっと乳首を弾かれて「あっ」とまた変な声がでた。 しまったと思った。思った時は遅くて「なんやもう!折角小さそうなった息子がギンギンになるやんか!」と後ろから抱きつかれた。 これは逃げなきゃダメだと振りほどき「先に上がる!」と逃げた。 そして、恭平の着替えも用意しようとするが彼は手足が長い。自分のを貸すときっとパツンパツンだろう。 仕方なく父親の部屋にいく。 一護の父親は恭平とあまり変わらない身長だった。 自分も父親に似たら高身長になったのに。なんて学生時代に思った。身長って遺伝しないのかな?と不思議だ。なんせ、恭平の両親は決して背が高い方ではないから。 タンスをゴソゴソやって恭平が着れそうなものを探す。 クローゼットを開けると何かがバサッと落ちた。 畳に広がって落ちる紙。 それは一護が幼い頃に書いた絵や父の日に送った手紙や手作りのプレゼント達だった。 まだあったんだ……と懐かしく手に取る。

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