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 「もしもし〜平太、仕事終わったぁ?」 ふわふわな口調で話す声でサガだとすぐにわかった。 「終わって今帰るところだよ」 声を聞くだけで癒されるイケボの持ち主、福岡サガ。 「おつかれぇ、平太。いっぱいい〜っぱい癒したるからなぁ」 もう癒されているよ、と思いながら、カイリ曰く洗脳らしい甘い言葉を言われて疲れが落ちていく。  「サガはもう寝るとこ? 」 「ううん、愛しの彼にカレー作って待ってんの」 愛しの彼と聞いて、ああキヨかと思い、プライベートなのに悪いなと申し訳なくなった。 キヨ……関本清彦も出張ホストで僕の相手をしてくれる。 人見知りで最初は勘違いしちゃったけど、綺麗な姿と清い心を持つ素敵な人なんだよな。 「キヨと過ごしているならもう仕事終わったんでしょ? 僕のことなんかいいのに」 サガは仕事が終わってもこうやって電話をかけると、対応してしまう悪い癖がある。 「平太」 その声は諭すような低い声だった。 「疲れてるから会えないんやなくて、疲れてるから会いたくなるんやで?」 ふふって笑うサガに、ハッと気付かされた。 ああ、彼らに会いたいんだって。  「そういう時のサービスがあるって言うてなかった?」   「天使……天国だっけ?」 「もうっ、 て・ん・し!!」 平太ったらあかんわぁって言う声もふわふわなサガ。 「ということで、発動するからなぁ」 じゃあねと言って切ったサガに天使ってサガと誰だっけなぁと思いながら歩いていく。

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