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規則的なリズムでワイパーが動く。車内に流れている曲に耳を傾けながら高速を走った。 待ち合わせていた久重を乗せ、不破は当初の予定とは違う場所へと向かっていた。 『水族館はどうかな?』 『出掛けませんか?』というメッセージにそう返せば、すぐに了承の返事が返ってきた。 男二人で水族館って、もしかして引かれるか? そんな心配を他所に、待ち合わせ場所に到着した不破を久重は嬉しそうに迎えてくれた。その笑顔は不破の心を鷲掴むには十分だったが、同時に後ろめたい気持ちにもなった。 久重は俺のことを純粋に友人として慕ってくれている。 自分自身に強く言い聞かせる。自分とは違う想いを相手は抱いているのだ。見せられた笑顔に心臓が跳ねようとも、そこを間違えちゃいけない。 「…なに?」 横からトントンっと肩を叩かれ不破はゆっくりと大きく口を動かした。運転中で筆談はできないため久重とのやりとりは必要最小限の言葉に留めるようになる。 『雷、光ってる』 「うん」 窓の外は朝からの雨が強くなり、黒い空は時々光に包まれていた。その様子をずっと眺めていたらしい久重の言わんとすることが分からなくて不破は首を傾げた。

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