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第4話
家に帰り、びしょ濡れの制服を脱いで、シャワーを浴びる。
『好き』って言われて、ドキドキした。男相手だけど、嫌悪感はなくて雨宮の泣いてる顔を見たら、柄にもなく守ってあげたいと思ったりしてしまった。告白されたから気になるとか現金かな。でも、さっきの雨宮を思い出すと胸がギュッとなる。
男同士だけど、アイツは俺とキスとかしたいと思うんだろうか……
考えてるだけで頬が熱くなる。さっきの涙目の雨宮を思い出したら、キュンとして胸が苦しくなってきた。
出来るかも……
………………………雨宮とキス。
もう少し雨宮の事が知りたい。そんな風に伝えたら、雨宮はどんな顔をするだろう。
…………でも、多分、酷く傷付けた。
俺から話しかけよう。『昨日はごめん』ってきちんと謝りたい。
その晩、色々考えて、眠れない夜を過ごした。
告白の次の日、雨宮は学校に来なかった。2日経っても3日経っても、雨宮は姿を見せる事なく、その後で担任の口から引っ越し、転校する事を聞かされた。
『また明日』
それが雨宮の最後の言葉だった。俺と雨宮が会う事は二度となく、突然の別れを知る。
転校は前から決まっていた事らしい。雨宮は最後だから俺に告白してきたのか。俺に振られると覚悟した上で言ったんだろう。それなのに、あんな酷い言葉を言ってしまった……
雨宮がいなくなっても毎日はさほど変わらなかった。朝が来て飯食って学校行って部活して……
だけど、雨が降るとアイツの悲しそうな顔と涙を思い出す。
それは大人になっても変わらなかった。
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