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第7話
side晴海
ベッドの上で目を閉じ、自分を抱きしめた。
(凪に…ギュッてされた…)
顔が熱い。
大きくなったとは思っていたが、自分が腕の中にすっぽりと収まってしまうとは!
(恥ずかしかったけど、嬉しかった…)
子供の頃は寂しそうな凪を見ることが多く辛かった。
友達の輪に入れず、いつも一人きりで校庭の片隅に立っていた。
他人に媚を売らずむやみに同調しない性格のため、敬遠されていたのだ。
(凪はガンコなんだよ)
今では仲の良さそうな友人もできたようで少し安心している。
(笑顔を見せてるのはちょっと妬けるけど…)
高校生活が楽しそうで良かった。
きっと今日も仲の良い友人と青春を謳歌してきたのだろう。
ただ、そこに自分の姿はない。
(わかってる)
布団を被り、自分で肌を撫でる。
凪の腕の中にいる自分を想像し、息が上がってくる。
そっとズボンに手を入れ、形をもってきた自分自身を握った。うっと小さく声が出た。
(…思い出すだけで感じる…)
左手で先端を弄りながら右手で扱く。
(凪…な…ぎ…)
(僕を…抱いて…)
(僕を…)
快感に包まれ、吐精した。
(これ以上望んだらダメになる…)
自分はいい兄になるしかない。
心に闇が落ちた。
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