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第10話

side晴海 朝早く目覚めた。 スッキリした頭で昨日の自分を思い出す。 (凪…ごめん…) 「おふぁ~…よう…」 「おはよう、凪」 あくびをしながら凪が起きてきた。 ダイニングテーブルについてはいるが、目が開いていない。寝起きが悪い訳じゃないが、起き出してから暫くはボーっとしている。 僕は昨日の夜食べるはずだった鮭のムニエルとサラダ、卵スープ、そしてトーストを食卓に並べた。 「用意できたよ、凪」 「…ん、いただきます」 見えているのか心配だがちゃんと食べている。 「いただきます」 まだ目が開ききらない凪の顔を見て、可愛いなあ、と微笑みながら朝食をとった。 「俺、今日早いんだった。いってきます」 制服のネクタイを締めながら、凪がバタバタと出掛けていった。 「いってらっしゃい」 凪を見送り、制服に着替え始める。 ズボンに足を通そうとして、太腿にある鬱血に目がとまる。 (…引き返せるうちに止めたほうがいいんだろうな) だがそれは出来ないだろうと思った。

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