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第11話 【R18】
side晴海
スマートフォンが震えた。
昼休み、晴海は木陰のベンチでサンドイッチを食べながら着信を確認した。
(凪?)
直樹からのメールだった。
見るか、やめるか…。
晴海はメールを開いた。
駅ナカのコーヒーショップでカフェラテを飲みながら店の外を行き交う人々を眺めていた。
足早に家路を急ぐ人、友人と肩を叩きあう人、そして腕を組み見つめ合いながら通りすぎる人…。
(僕にはもう愛される資格がない)
(そもそも兄弟だから愛されるなんて…)
(…愛されるなんて、あり得ない…)
ちゅうぅぅ、甘い液体を吸いあげる。
口のなかで含み、喉を落ちていく甘い汁の味を確かめた。
「待たせた」
橋本直樹が立っていた。
晴海は黙ったまま立ち上がった。
ちゅっちゅっと、リップ音をさせながら直樹は白い肌を吸った。ベッドの上で、晴海は直樹に背を向けてその足の間に身体を置いている。耳朶を食み肩甲骨の形を辿りながらその手は晴海の胸の先端に触れる。
「んんっ」
「胸…感じるね…」
焦らすように優しく、円を描くように撫でる。
「はぁ…あ…」
ぎゅっと先を摘ままれ体をびくつかせる。
身体を密着させたまま俯せにベッドに倒され、腰から太腿を掌で撫でられる。
「どうして欲しい?」
「優しく……優しくして…」
「うん」
直樹はローションを手にし、晴海の後穴に指を入れる。
つぷっ
あっと上げる声にはカフェラテのような甘さが混ざり、晴海は焔暗い官能の闇に身体が溶けていく気がした。
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