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第16話 【R18】

side凪 拓己とキスしてしまった。 違う、キスされたんだ。 「しょうがない」 そう言ったとたん、またキスされた。 さっきみたいな唇を押し付けるようなものではなく、そっと触れてきて感触を確かめるようなキス。 首に腕をかけてきて、唇を食まれる。 僕は拓己の顔を見ていた。 泣き止んだばかりで目元も頬もほんのりと赤く染まっている。 綺麗という言葉だけでなく、色っぽいというのだろうか。 今までの拓己の印象とは全く違っている。 口を少し開けてみた。 熱い舌が戸惑いながら入ってきて、口腔内をねぶられる。 自分の中の何かが目を覚ました。 僕は拓己の腰を抱き、迷うことなく舌を絡めた。 夢中で舌を吸い、息が上がってくる。 今まで感じたことのない高揚感が僕を大胆にした。 拓己をベッドに押し倒してキスを続けると、拓己が自分のシャツのボタンを外し始めた。 伏せがちな瞳で僕を見て、胸を開き、誘う。 腰の重さを感じながら、胸に口づけた。 「っん、」 顔を背け、ぎゅっと目をつむる姿が可愛らしい。 舌を出し、胸を舐める。 先端を口に含み、吸ってみる。 「はぁっ…ん…」 声を聞かせたくないのか手で口を覆うようにしている。 声を出させたい。 強く吸って甘噛みした。 「ああ!あんっ」 上から拓己を見下ろし、僕はネクタイの結び目を緩めた。

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