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第59話

side凪 晴くんに拓己との仲を勘ぐられた。 間違いなく拓己と俺は、晴くんに言えないような事をしている。 (晴くんを泣かせちゃったな…) でも、橋本と一緒にいるのを見たとしか言っていないのに晴くんがああも取り乱すとは。 (あの二人、絶対に何かある) ベッドにゴロンと寝転がった。 (…俺と拓己みたいな関係なのか…?) (…まさか晴くん…橋本と…) やっぱり俺のせい…なの? side晴海 凪と初めて言い合いをした。 ケンカなんて一度もしたことがないのに。 『凄く仲良しだよね。最近よく会ってるみたいだし』 そんな意地の悪い言い方をした。 僕には凪にそんなことを言う資格なんてない。 凪の目に僕の心の底が見透かされたみたいで苦しい。 僕と直樹がどんなことをしているか凪も薄々わかっているだろう。 握りしめた拳を開くと手は青白く、わずかに震えていた。 どうして僕は凪に言えなかったのか。 どうして直樹に頼ってしまったのか。 僕は、どうすればよかったんだろう…。 溢れる涙は止まることを知らない。

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