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第62話
side晴海
(今、好きって…)
凪の言葉に僕は固まってしまった。
(どういう事?)
「凪、苦しいよ…緩めて」
凪はきつく僕を抱きしめたままだ。
「嫌だ、たくさん我慢した」
さらに強い力が腕に込められる。
「もう我慢できないよ、晴くん…」
凪の背中に手を回し、優しく撫でた。
「晴くん…俺は晴くんを…愛してる」
大きな凪の胸の温もりを感じて、僕は “愛されている”と強く感じた。
その愛は、おそらく兄弟という血縁を越えたものだろう。
ぼくだって…兄弟であっても凪を “愛している”。
一緒に生きて行きたい。
…でも、それは許されるのだろうか…。
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