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第3話 『直×拓編』
side拓己
今年は三年生で、あと一年しか学校に通えない。
それで告白した。
ダメ元で、ありったけの勇気を振り絞って。
「いいよ」
って言ってくれて、本当に嬉しかった。
「今日からよろしくね」
差し出された手はあったかくて、両手で思い切り握っちゃって、オレ何してんだろう…。
舞い上がってる。
楽しい一年になりそうだ。
時々、三階の教室で二人で会った。
時間が合わないから外では会えない。
それでもいい。
こうして会えれば…。
凪とは相変わらず毎日下らない話をしている。
それにしても、何を食べたらあんなに大きくなれるのか。
出会ってから20センチ以上伸びてるぞ、アレ!
可愛らしかった顔も、男くさくなって女子達の扱いも変わった。
カワイ~、だったのが カッコイイ~にランクアップしてる…。
オレはこの女顔が嫌いだ。
いつもの教室デート、といっても座って話をするだけ。
好きなモノとか趣味とかよく見るテレビとか、そんなありきたりな話ばかり。
あれ?
オレ、自分のことばかり話して、相手の好きなものあまり聞いてないかも…。
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