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第24話 『直×拓編』

side直樹 軽くシャワーを浴びていたら晴くんが小鹿のように頼りない足取りで入ってきた。 「晴くん、大丈夫?」 「ま、何とか」 答えながらも膝が抜け、抱きつかれたが悪い気がしない。 「…ふあっ!」 「俺が洗ってあげるよ」 顔を赤くして焦っている晴くんの体を捕まえて浴室に引っ張り込んだ。 恋人のように…想像だけど…晴くんの体を手のひらで洗い恥ずかしがる姿を堪能した。 浴槽に浸かって上気する肌を邪な想いで見ていたら晴くんの頭が後ろにコテンと倒れ、俺の胸に擦り付けてきた。 もう駄目だ…。 腰を浮かせて晴くんの体を捩り、唇を奪った。 「何で、もう…!」 顔が熱い。 「…そんなに可愛いことしないでよ!」 「ゴメン…無意識だった」 驚いた顔でそう言う晴くんはマジで天然だった。 期末テストが一通り終わった放課後、晴くんに向かっていく気持ちを抑えることが出来ず、迷惑かなと思いながらメールを送った。 すぐに返信がきて、俺は部屋に誘った。 「…直樹、いいの?僕とこんなこと…」 ちょっと困った顔もそそる…。 「いいに決まってる。晴くんこそ…後悔とか…ない?」 晴くんは黙って目を反らす。 俺は否定されないのは肯定と捉えた。 後ろからそっと手を回して、うなじにキスをひとつ…ふたつ…。 白い喉を戦慄かせて晴くんの手が俺の手をぎゅっと掴んだ。 「晴くん…ベッド…行こ…」 速まる鼓動に…晴くんが気づきませんように…。

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