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第37話 『直×拓編』
side直樹
拓己のことがどうしようもなく気になってる。
過去に女子と付き合った事もあるが全て向こうからの告白だった。
断る理由がない限りデートをしてみたが…私を見てくれない、と離れていく。
晴くんの時は俺が晴くんに何かしてあげたかった。
拓己は…どうしても守ってあげたい、そんな風に思う。
男相手に守ってあげたいとか…そんな風に感じる自分にはちょっと引くけど。
強がって平気な振りをするのに辛いと言って涙を流すいじらしさに心が痛い。
縋るような視線で見つめられると抱きしめたくなる、離したくなくなる。
晴くんに振られたばかりなのに自分でも驚くほど晴くんの事は吹っ切れていた。
駅で見かけて…つい声をかけてしまったけど…俺も晴くんもわだかまり無く話せた。
きっとお互いに本当に好きな人がいるから…。
明日も拓己と約束がある。
拓己に告白したら、受け入れてくれるだろうか。
約束の時間が30分過ぎていた。
今までにこんな事一度も無かったのに。
寝過ごしたのか、それとも連絡も出来ない状況なのか?
とりあえずは拓己の家に行ってみるか。
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