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第46話 『直×拓編』
小さな子供が寄り添うように、二人…。
フレームを持つ手が震えた。
これ…この子供…。
「この二人…拓己と弟?」
「…うん」
…よく似ている。
「…そっくりだね」
「似てるけど…二卵性だから瓜二つって訳じゃないんだ」
二卵性で…育った環境が違って…誕生日は一日違い…。
「拓己…血液型は?」
「オレはB型、っぽいだろ?」
自由で何事にも縛られない…。
「直樹は?」
「俺は…A型」
「あ~そんな感じ。細かいし、ちゃんとしてる」
機嫌良くしゃべる拓己の話は入ってこず、頭の中で一つの考えがぐるぐるする。
父さんはB型…ってことは…
「拓己のお母さん、A型?」
拓己の目が見開く。
「そう!母さんA型なんだよ、よく判ったな」
…どうしよう…拓己は…俺の兄貴かも…。
…兄貴を…抱いた…?
「…直樹、顔が真っ青になってる。大丈夫か?」
心配そうにおれの顔を覗き込む拓己…。
…大丈夫…
…まだ、証拠は…ない。
「うん、何でも…ない」
「それが何でもない顔かよ」
拓己は俺の体を無理矢理ベッドに倒してポンポン、とまるで子供にするようにした。
あ…落ち着く…。
「ちょっと休めよ。オレが側に居てやるから」
拓己の優しさが…嬉しい。
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