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不器用

「もうすぐ学祭だよな」 「三上たちはもう決まってんの?」 「うん。料理できる奴が何人かいるから模擬店!」 「何の?」 「それは今から決めていくよ」 山南くんたちと友達になり3ヶ月がすぎた。 高校入って初めての学園祭。 『ここの学園祭はね盛り上がるんだよ』って。 山南くんが教えてくれた。 だから。 かなり楽しみでもあるんだ。 ***************** 「じゃあお好み焼きと焼きそばに決定!」 「作り方わからないやつは練習放課後にするから調理室に来いよ?」 メニューは多数決だけど。 お好み焼きと焼きそばに決まった。 「三上、山南から」 『練習参加する?』 山南くんがこっち向いてた。 ぼくはうなづいた。 「三上。いつ参加する?」 「ぼくは、ま、毎日参加する」 「へ!?毎日?」 「その、ぼく。不器用なんだ」 あぁ。 やっぱり黙っちゃった。 「ホントに?」 「うん。調理実習で毎回怪我してた」 ぼくがそういうと山南くんは爆笑していた。 「三上ー可愛いー」 「可愛いってぼくは男だって!」 「わかってるけど」 もう! 山南くんは。 それから。 学園祭の準備が本格的に始まった。

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