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第7話

「手を回すのが早いな。流石経済界のドンですね」 捜索願はあがってきてるだろうから、顔で探されたのかとテオは肩を軽く落とす。 自分の身くらい自分で守れると証明したかったのに、子供相手に事故を起こすなんてとんでもない自意識過剰だと、親には合わせる顔もないなと、溜息を漏らした。 「照生君。君の母親とは、知り合いだったこともあって、たまたま君の情報も手に入れていただけだよ。君には子供を産んでこの家で暮らして貰おうと思うのだけどね」 「嫌だね。まあ子供は産ませてもらうけど……そしたら、さっさと出ていくよ。俺には夢がある。試験も合格したんだけど、まあ、先送りだな」 ずっとなりたいものがあった。 オメガだから、そんな仕事は無理だと言われ続けていたけど。 テオは小さく笑って、自分の腹部を見下ろした。 そこに命が宿っていると言われて実感はわかなかったが、それを亡きものにする気持ちはなかった。 そして、ずっと抱えていた夢も失うわけにはいかなかった。 「うちに入れば働く必要はないのだがね。まあ、君は実家に戻っても苦労はしないのだろうけど」 仕方がないねと言うリクの父親は、説得を諦めたのか、部屋を出ていった。 「テオさん……。夢ってなんですか……僕は貴方の夢を邪魔してしまった……」 話を聞いていたリクは、テオの手をきゅっと握りしめる。 「惑星探査船に研究員として乗りたくてさ……長期航海はオメガに向かないって言われてたけど、試験合格したんだけど。父に反対されて学校も逃げ出したってわけ」 「カッコイイです……探査船。すごく遠くに行くんですか」 握りしめるリクの手に、テオはその手を重ねてこくりと頷く。 「そんなに会えないし、お前は俺を忘れてしまうかもしれない。だからさ、約束とかはしなくていい。重荷に思ったら、番はいつでも解除してくれ」 まだ子供で成長すれば、他のアルファとかと同じように考えるかもしれないなと、テオはその顔を覗きこむ。 「テオさん、貴方が夢を叶えて帰ってきたら……その時、僕は貴方に見合う男になって、またプロポーズしますから。それまで待ってて」 子供にしては意思の強い瞳に見つめ返されて、テオは呑まれたように頷いていた。

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