人の子は弱い。 　人の子は脆い。 　たった一度の快楽に、異常なほどに溺れていく。 　その様子を見ることが、とても好きだ。 　善悪の区別のついている子ほど。 　その快楽に弱く、脆く、簡単に堕ちる。 「あぁんっ！　とまんな、とまぁんなぁぁあいっ！　きもちーのっ」 　望という人の子は、欲を抑えていた。 　だからこそ。 　儂から与えられる快楽に、とことん堕ちていった。 　何度も何度もイかせてやれば。 　その目も、心も、体も。 　何もかもが、儂に向く。 　それが機会。 　儂は、人の形をしたセックス狂いの器と化した望にキスをする。 　それは、ただのキスではない。 　儂の魂を移すもの。 ――高校生、というから、まだまだ長く生きるだろう。 　望の命が尽きるまで。 　儂が永遠に、気持ち良くさせてやる。