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別れ~勘違い?
「ごめ、なさい……ぼく、のせいで……。意中のご婦人と結婚、できない。から……」
(本当にゼフィールを想っているのなら、庭に蹲らず、さっさと出るべきだったのに……!!)
意気地のない自分が情けない。
涙を流しながら謝罪すれば、ゼフィールは訝 しがるばかりだ。
「意中の婦人と結婚? 馬鹿な、いつぼくが女性と結婚をしたいと言った? 君という人がいるのに?」
「嘘つかなくてもいい。だって貴方のチュニック!! 胸元に赤い紅の染みがあった! ぼくは邪魔でしょう?」
「いいか? よく聞け。ぼくは君を愛している! 紅はおそらく、国王の母君に付けられたものだ……」
「国王の――? でもっ! ご婦人と話している時のゼフィール、とても楽しそうだった!! 笑っていた!」
「笑う? そんなことは……ああ、君の容姿を褒められたからではなかったかな?」
「えっ? ぼくのこと?」
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