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さようなら~美しい男性。
そして月曜日の今日もウェリーはいつものようにゼフィールが帰宅する時間になると玄関ホールで待っている。
玄関先からカタコトと馬車が駆け、停車する音が聞こえた。同時に大股でリズム良く地面を鳴らす足音が近づいてくる。
「ゼフィール、おかえりなさい」
間もなくしてドアが開き、彼が姿を現した。
ゼフィールはいつ見ても美しい。
長い足にたくましい肉体。ウェリーはそんなたくましい彼の腰に抱きつき、こうして出迎えるのは今や日常と化している。
「ただいま。……ウェリー、少し熱っぽいな。ここのところあまり眠れてないんじゃないのか?」
彼の骨張った指がウェリーの顎を掬い上げた。
しまった!
そう思ってももう遅い。
ゼフィールは誰よりも鋭い眼力の持ち主だということを忘れていた。
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